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Friday

走る馬と甘いキャンディ / Vintage Tin Caddy by Pierrot Gourmand

 フランスヴィンテージ、ピエログルマンのティンキャディ。

















今回ご紹介するのは、競馬の障害物レースをモチーフとしたシックな缶。

蓋には黒ベースに金彩で紋章とピエロの顔があしらわれ、本体上部には以下の文字が見られます。


Pierrot Gourmand


「Pierrot Gourmand/ピエログルマン」はフランスを代表するキャンディブランドで、ご存じの方も多いかと思います。


歴史としては1867年パリに生まれた「Georges Evrard /ジョルジュ・エヴラール」が19歳の時にマレ地区でお菓子屋を始めたのがはじまり。1899年には「Au Pierrot Gourmand /オー・ピエロ・グルマン」をブランドとして登録します。

1924年には棒の先にキャンディを付けたロリポップを発売し有名となります。1950年代には黄金期を迎え、様々なフレーバーのキャンディを製造販売していました。1976年に同社は破産しますが、他のグループがブランドを引き継ぎ、現在でも「エログルマン」名でキャンディやグミなどを販売しています。


この缶はそのピエログルマンの黄金期、1950年代くらいのお品物であるかと思います。フランスで人気の競馬の障害物レースをモチーフとしており、躍動感ある馬や落馬している騎手、そして見物客などがいきいきと表現され、ストーリー性のある意匠が魅力のひとしなです。中にキャンディなどを入れて販売していたのでしょう。


ディスプレイに最適ですが、しっかりと容量もありますので、小物入れにもお勧め。

子供はもちろん大人たちも魅了した、ピエログルマンの魅力的な缶を、是非貴方のコレクションに加えてください。



◆France

◆Pierrot Gourmand

◆推定製造年代:c.1950年代頃

◆素材:金属

◆サイズ(外寸):幅約13.2cm 奥行き約9.9cm 高さ約9.5cm

◆サイズ(内寸):約13×8.7 深さ約8.9cm(歪みあります)

◆重量:157g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、塗装の剥げ、歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*蓋は安定して閉まります。開ける時は蓋の方が大きいので簡単です。閉める時は本体側を少し整えながら閉めるとスムーズです。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A


郷愁を誘う小さな糸車 / Antique Miniature Castle Style Spinning Wheel

 英国アンティーク、ミニチュア糸車。













今日は少し変わったミニチュアのご紹介です。


手のひらに乗る小さな小さな糸車。木で出来ており、ペダル部分を動かすとホィールも稼働し、ボビン部分も回すことができます。販売していたディーラーによれば、1900年代あたりのもの、とのこと。大きさ的に1/12のドールハウス用としては大きすぎるので、恐らくは飾り用、愛玩用として作られたものと思います。


糸車には様々な種類がありますが、多くはホィール(大きな車輪のようなもの)がフラットな台の上にあり、横方向にフライヤーとボビン(糸巻)があって、バンドで繋がっているものを想像する方が多いと思います。


この糸車は、少し変わったタイプ。

フライヤーとボビン(糸巻)がホイールの片側ではなく上に配置されているタイプで、「アップライト/Upright」、もしくは「キャッスル/castle」ホイールと呼ばれるものです。このタイプはコンパクトで移動が容易という特徴がありました。


National Museums Scotland のブログで、まさにこのタイプの糸車で作業する女性の写真が掲載されておりますので、よろしければ覗いてみてください。

https://blog.nms.ac.uk/2020/12/14/introduction-to-the-spinning-wheel-collection-in-national-museums-scotland/


この写真ですと高さが座った女性の胸からやや上くらいですので、糸車の高さは恐らく90-100cm前後かと思います。今回のミニチュアは高さ約13.8cmですので、1/6から1/7くらいの縮尺かと推測いたします。


動きをよろしければ動画にてご確認ください。



よくよくみれば一番上の擬宝珠が2か所欠けているような気もしますが、それであればずいぶんと昔に欠けたようで、既に色が馴染んでおりますので、あまり気にならないような気もします。


糸を紡ぐことは主として女性の仕事であり、嫁入り道具として用意されることも珍しくなかったといいます。

非常に大変な仕事ではありますが、糸紡ぎはどこか郷愁をもってとらえられることが多いでのはないでしょうか。

それはからからと回る糸車の様子が、なんとも美しく、糸車自体も完成されたフォルムを持っているからかもしれません。


手のひらに乗る糸車。

小さなホィールを廻しながら、イングランドやスコットランドの農村で糸を紡いでいた女性達へ、想いを馳せてみてはいかがでしょうか。





◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:木

◆サイズ:高さ約13.8cm

◆重量:19g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠けや変色等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A


黒い矩形にインクを詰めて / Antique Victorian Portable Inkwell

 英国アンティーク、携帯用インク壺。














長く私たちと共にある筆記具の歴史。


昔はつけペン、近年になれば万年筆がその代表格でしょうか。


万年筆自体は古くから色々なタイプが試みられてきたようですが、1883年世界で初めて毛細管現象を応用した万年筆を発明したウォーターマンが「万年筆の祖」と称されています。1889年にはパーカーも万年筆を発売しており、19世紀末から20世紀にかけてどんどん万年筆の性能は改良されていくことになります。ただ、19世紀後半ヴィクトリア時代、万年筆はあったといえどもまだまだ高価で珍しい存在であり、多くの人たちは従来の「インク+つけペン」を使用していました。


今回ご紹介するのは、その時代に活躍していた「Portable Inkwell/携帯用インク壺」です。

以前にも当店で似た機能の丸型をを販売したことがございますが、今回のものは潔い矩形でブラックのレザーが貼られたもの。蓋部分には金の箔押しで「INK」の文字が施されており、手前のボタンをぎゅっと押しつつ蓋を開ければ、小さな小さなガラスのインク瓶が現れる、という仕組み。


開閉を動画としましたので、よろしければご確認ください。





蓋の裏側にはゴムが仕込まれていて、インク瓶の蓋となり液漏れを防ぐ仕様になっています。このタイプの携帯用インク壺の製造は1870年から1890年代頃、ヴィクトリア時代が多かったので、このお品物もその頃のものと推測いたします。



試しに液体をいれて振ったり逆さまにしたりしてみました。今のところは液漏れは確認できませんでしたが、実際にインクを入れて携帯される際は、様子を見ながらお願いいたします。現代日本ではインク壺としてのご使用はもちろん素敵ですが、アロマオイルなど入れてみても良いかと思います。


大英帝国の繁栄期、ヴィクトリアン。特に後半は中産階級が潤い、英国、特にロンドンはヨーロッパのなかでも文化の爛熟期でありました。そんな時代に英国紳士がポケットに忍ばせていたであろう、手のひらに納まる小粋なケース。


そこからから取り出す液体は、それだけで何か特別な力を持っているような気になってしまいますが、いかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1870-1890年代頃

◆素材:金属、ガラス、革、他

◆サイズ:幅約4.1cm 厚み約1.9cm 高さ約4.7cm 

◆重量:65g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*開ける際は、手前のボタンをぎゅっと強く押しつつ、蓋を開いてください。

*閉まるときは「カチン」と安定して閉まります。

*蓋のゴムは劣化しています。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ペンと勇気を秘めた薔薇の小箱 / Antique Victorian Rosewood Travelling Writing Box with Contents

 英国アンティーク、携帯用ライティングボックス。




























とても珍しく特別なアンティークのご紹介です。



幅僅か20cmほどの木箱。銘木ロースウッドで作られており、触れば滑らかな肌触りでいつまでも撫でていたくなる誘惑に駆られます。蓋には真珠色に輝くマザーオブパールの「ヴェイカントカルトゥーシュ/Vacant Cartouche」が嵌めこまれており、鍵穴回りも同じ材で飾られています。


蓋を開けば、インク瓶とペン刺し、そしてペントレイや小物入れが現れます。そう、これは「Travelling Writing Box/携帯用ライティングボックス」です。


当店は今まで数点「ライティングスロープ」を販売してきました。大きさはA4大ほどで、箱を広げればインク壺や書き物スペースが現れ、収納部もついているものです。旅行や行軍時に携帯し、そこで書き物が出来るデスク兼収納は、贅沢かつ実用的な品物として富裕層が好んで使っていた品物でした。


今回の携帯用ライティングボックスは、その縮小版ともいえるもの。

デスク部分はないものの、インク壺やペントレイ、小物入れがついており、全体の仕上げは最高に美しく優雅。小さな鍵でローズウッドのボックスを開けば、そこに広がる小さな世界は、物を書くことがお好きな方なら誰もが魅了されるのではないでしょうか。作られた時代は古く、ヴィクトリア時代と推測いたします。


ここで内容物をご説明いたしましょう。英国買い付けからそのままの状態でご紹介いたします。


まずはガラスの本体と銀メッキの蓋がついたインク壺。1つはネジで開閉し密閉度が高いもの、もう1つは比較的容易に蓋が開いてコルクの栓が蓋裏についたものです。こちらはインクではなく、何かパウダー状のものを入れていたような気がします。


他に以下のものが入っています。


1:ディップペン(ペン先までの長さ15.7cm) シャフトの先端金属に「Parkins & Gotto, 54 & 56 Oxford Street」の刻印入り。本体は恐らくボーン(骨)。ペン先取り外し可能。


2:ディップペン(ペン先までの長さ12.7cm) シャフトの先端金属に「Parkins & Gotto, 24 & 25 Oxford Street」の刻印入り。本体は木製。ペン先取り外し可能。


3:ディップペン(ペン先までの長さ16.8cm)シャフトの先端金属に「 Johann Faber, 10 Paternoster, Building S, London」の刻印入り。本体は木製。ペン先取り外し可能。


4:ディップペン(ペン先までの長さ16.5cm)シャフトの先端金属に「W.S. Hicks」の刻印入り。本体はマザーオブパール。ペン先取り外し可能。


5:シーリングスタンプ(長さ3.6cm 直径1.1cm) ハンドルはボーン(骨)、刻印の内容はRooster(雄鶏)と「While I Live I'll Crow(生きている間は鳴く)」の文字。


6:折り畳み式定規 広げた時長さ6インチ(15.24cm)ボックスウッド、真鍮


7:ミニチュアナイフ (折りたたみ時長さ2.3cm)マザーオブパール、金属(現在それほど切れ味はよくありません)


他に数個のペン先と、使いかけのシール用ワックス、小さな鉛筆、赤いウェス、以上となります。





ディップペンのメーカーについて、簡単ではありますがご説明をしておきます。


「Parkins & Gotto/パーキンス アンド ゴットー」はWilliam ParkinsとHenry Jenkin Gottoによって設立され、文具をメインに、後には鞄やスポーツ用品など幅広い品物を扱うようになった会社です。主としてロンドン、オックスフォードストリートを拠点とし、商売が広がるにつれてどんどん拠点は増えていきました。1860年には美術協会からライティング ケースに銀メダルが授与されるほどでしたが、20世紀までは続かず、1912年の記録には既に名前をみつけることは出来ませんでした。


「W.S. Hicks」は1818年ニューヨークに生まれたWilliam S. Hicksによって作られたペンの会社です。当初の名称は「Hicks, Larcombe and Mitchell」でしたが、1848年に「W.S. Hicks」に改名されます。1863年にロンドン、そしてと1875年にパリ工場が設立されましたが、1890年にヒックスが亡くなり、彼の息子が後をついで「Wm. S. Hicks and Sons」という名前となりました。


このことから、ディップペンもヴィクトリア時代の品物であると思われます。


小さなシールスタンプは雄鶏と、雄鶏に定番として在るモットー「While I Live I'll Crow(生きている間は鳴く)」が彫られています。夜明けの使者としても知られる雄鶏は、勇気と自信、勇敢さの象徴。「自分たちを護るためには死ぬまで闘う」意味も込められており、家や町の紋章としてもみられるシンボルでもあります。

恐らく、このライティングボックスの持ち主が、自分のシンボルとしていたのではないでしょうか。


小さな鍵で箱を開け、インク壺の蓋を開けてペンを浸し、手紙を書き、封蝋で閉じる。ヴィクトリアン時代に行われていただあろう、そんな一連の所作が目に見えてくるようなライティングボックス。


書き、伝えることの大切さを改めて思い起こさせてくれるような英国アンティークの逸品を、是非貴方のお手元でご堪能ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1870-1890年代頃

◆素材:ローズウッド、ボックスウッド、マザーオブパール、ガラス、レザー、金属、他

◆箱サイズ:幅約20cm 奥行き約8.6cm 高さ約5.3cm

◆総重量:526g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*鍵は施錠可能ですが、古いお品物なので頻繁な施錠はお勧めいたしません。

*ペン先は日本で現在一般的に販売されているGペン、丸ペンに交換可能です。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A